塾業界の行く末の妄想
お仕事をされている方は、皆さま同様かと思いますが、
私も、日々の仕事では、
「我が社はどうするんだ!?」「我が組織はどうするんだ!?」
みたいなことに、忙殺されております。
(小さな会社なんで、やれることも限られていますが・・・)
そんな日々の中、ふと、
「塾業界って、今後どうしていくんだろうな~」
と、他人事ながら思ってきました。
普段は、「消費者」として塾業界にいますが、もし塾の経営者/社員だったら、どう考えるのだろう? と想像してみました。
(以下、完全にただの想像です。お忙しい方は、他のブログへ(笑))
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■今後の予想シナリオ
- シナリオ1)コロナが落ち着き、完全に元に戻る
- シナリオ2)「既存の塾業界プレーヤー」が、オフライン(=リアル)授業を、オンラインで「代替」する
- シナリオ3)「既存の塾業界プレーヤー」が、オンラインを前提にした新たな教育形態を「再発明」する
- シナリオ4)「新規プレーヤー」が、オンラインを前提にした新たな教育形態を「再発明」する
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シナリオ1)コロナが落ち着き、完全に元に戻る
めでたく、新型コロナが落ち着き、元の「ビフォーコロナ」の時代に戻るシナリオです。
このシナリオは、一番想像しやすいですが、私個人は、「起きない(可能性 10%未満))」と思っています。
理由としては、
第1に、新型コロナがすぐ落ち着くとは思えないことです。仮に、落ち着いても、根絶はできず共存でしょう。
また、「コロナに代わる新ウイルスが出たら?」について、皆、頭をよぎり、完全に元に戻ることはないと考えます。
(ただこれは、医学的・政治的・経済的、様々な要素が絡み合うので、根拠としては弱いです。)
第2に、「オンライン・在宅で、意外といけるところもあるね」という社会的合意が生まれ始めていることです。
これは業界にもよるのかもしれませんが、例えば、私の勤務先でも驚くのが、ビフォーコロナ時代は、あんだけ「リモートワークなんか100%無理!」と言われていたのに、「案外成立している側面」を感じています。むしろ、一方的な情報伝達だけであれば、「オンラインのほうがいい」なんて声も出ています。
また、塾でも、オンライン動画は不評な面はもちろんあるものの、「わからないところを、いつでも・何度も見られる」「授業が早いとき、止められる」 という声もあるでしょう。
人間って、最初は不便と思いながら、その中に「メリット」を見出すと、案外適応してしまい、不可逆なところがあるかと思っています。
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シナリオ2)「既存の塾業界プレーヤー」が、オフライン(=リアル)授業を、オンラインで「代替」する
今は、このシナリオが起きています。
各塾が、オフライン(=リアル)の授業に近いものを、オンラインで「代替」できるか、取り組み始めています。
スピード感に程度はあれ、各塾で起きるのは、このシナリオでしょう。
今は、クオリティ的には「?」な面はありますが、そこは各塾はプロなので、今後、改善がなされ、それなりのものになっていくでしょう。
いち消費者としては、このシナリオで、今後クオリティがよくなることに、期待です。
一方、ビジネスとして、このシナリオを見る場合、「全く興味がわかない」というのが本音です(笑)
所詮は、オンラインによる「代替」であり、どんなに改善を繰り返しても、オフライン(リアル)を上回るのは難しいでしょう。
そこで出てくるのが、シナリオ3です。
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シナリオ3)「既存の塾業界プレーヤー」が、オンラインを前提にした新たな教育形態を「再発明」する
ビジネスとして「塾業界」をみる場合、興味がわくのは、このシナリオ3と、後述のシナリオ4 が起こるのかどうか?です。
オンラインの授業動画がどうのこうの、zoomで双方向がどうのこうの・・・ というのは、リアルの「代替」にすぎません。
こういうときに、市場に激変が起こるのは、
「オンラインを前提にして、ゼロベースで新たな教育形態の ”再発明” が起こること」
ではないないかと。
かつて、Steve Jobs が、「iPhone」で電話を「再発明」したようなレベルの動きが、塾業界で、新たに起こることです。
それはなにか?
わかりません(笑)
わかってたら、起業します。
とはいえ、素人ながら、方向性を少し予想してみます。
これまでは、「授業で習ったことを、家で復習」のようなサイクルでした。
これが、例えば、
「各自が、家で(クオリティが高い)授業動画を見てきて、塾がやることは、緊張感ある演習の提供や、個々人の苦手の把握へ。そして、塾の後は、個々人の苦手分野に最適化された問題を、各自やる」
みたいなものになるイメージです。
塾や教材が中心なのではなく、学習者が中心という世界のイメージです。
ネットを見ていると、既に、このようなことを主張している人は、いらっしゃいますが、要は、これまでの塾のあり方を、テクノロジーで、根本的に作り直すような動きです。
これこそ 今流行の、Digital Transformation (DX) 。
とはいえ、これを企画・実行するには、革新的な経営者 and/or DXリーダーの存在が必要でしょうね・・・。
(私の勤務先にも必要です・・・)
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シナリオ4)「新規プレーヤー」が、オンラインを前提にした新たな教育形態を「再発明」する
シナリオ3で「再発明」について触れました。
とはいえ、今の塾業界のプレーヤーから、「再発明」が起こるのか?という話になります。
今の塾は、「リアル授業」を中心としたモデルで、最適化しているので、「オンラインをベースにゼロから作り上げる」という「再発明」が起きるのは、相当難しいのではないかと考えます。
これは、塾に限らず、どの業界もそうですよね・・・。特に、リーディングカンパニーであればあるほど、今の戦略に最適化しているので難しい。
サピックスの動きが鈍いのもの、このせいじゃないかと^^;
では、誰が、再発明するか?
ガラケーの携帯メーカーから、iPhone が出なかったように、再発明は、「塾業界以外の新規プレーヤー」から起こるのではないか? というのが、このシナリオです。
それは誰か?
「何のしがらみもなく、テクノロジーに強い会社」は、その筆頭でしょう。
テクノロジーを起点に、今の学習のあり方を、オンラインやデータを使って、再発明するプレーヤーが現れるのではないかと思っています。
そのとき、今の大手塾はどうなるか?
コンテンツ提供者になっちゃうんでしょうね・・・。
新規プレーヤーは、塾業界についてはド素人だから、さすがに、コンテンツは、作れないでしょうし。
テクノロジー企業による、大手塾プレーヤーの買収 とか起きちゃうのでしょうか!?
こういった動きは、比較的多くの業界で見られる動きなので、十分可能性はあるなと思っています。
ただ、他の業界と違うのは、中学受験業界って、市場が大きくなさそう & かなりマニアック な感じがするので、参入するプレーヤーが出てくるのかな? という気もします。(=おいしくない市場に見える)
そうなると、案外、シナリオ2 でとどまるのかもしれません。
その中で、シナリオ3に近いことがやれるプレーヤーが、次の時代の覇者になるのでしょうか!?
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いやはや、こうして、ちょっと想像してみるだけでも、なかなか激動な塾業界ですね・・・
いち消費者だから、こんなふうに好き勝手に書いてますが^^;
塾の経営者だったら、寝れないですね・・・。
まー、これに加え、そもそも入試がどういうものになるのか・・?というのもありますね。今のペーパーテスト形式が、今後も続くのだろうか?
いずれにせよ、塾業界の動きは、今後もウォッチしていこうかなと思います。
そして、サピに通う者としては、最後に叫んでおきます(笑)
がんばれ、サピックス!