本)麻布という不治の病
先日発売された おおたとしまささんの
を、麻布志願者の親として、読んでみました。
この本は・・・濃い・・・!(笑)
「学校選びのため」という目線でいうと、この本は濃すぎるので、同じおおたとしまささんの
中学受験 注目校の素顔 麻布中学校・高等学校 (学校研究シリーズ 2)
や、神田憲行氏著の
が、まずはよいかなと思いました。
とはいえ、「麻布という不治の病」は、その濃さの分、内容としては考えさせられる面白さがありました。
麻布という学校を理解する面白さもさることながら、「学校とは?」「学校が人生に与える影響とは?」を考える点で、刺激になるところが多くありました。
おおたとしまささんがこの本の冒頭で述べているように
読者がそれぞれに「麻布らしさ」をすくい取るように読んでほしい
とのことなので、私が 「麻布らしさ」を、このブログで書くことはしませんが(別に 麻布のOBでもなんでもないし・・・^^;)、
いくつか印象に残ったフレーズをいくつか・・・
自分で築き上げた価値観のみを追求する覚悟ができたときにひとは本当に自由になれる
このフレーズの前後で、自由に関する おおたとしまささん なりの考察があり
- 第一段階)自由と責任論
- 第二段階)自由の相互承認 (自分の自由が守られるためには相手の自由の保障が必要)
- 第三段階)世の中が用意している価値観から飛びぬけ、自分を縛っていた 価値観・思い込みを手放し、自分しかもってない価値観に従って生きることを決めた瞬間に得る自由
という話。なるほど・・・ これはほんとそうかも。
第二段階→第三段階に飛ぶのがね・・・。なかなか・・・。
麻布の環境を守り育んできたひとたちは、ちゃんと独りで沈むことの大切さを伝えようとしているのだと、いまの僕なりに理解しています。
この本の中に、「(麻布OBの)藝大生が振り返る麻布」という章があるのですが、個人的にはこの章が一番印象に残りました。感性と言語化能力の高さに脱帽!
何かを知るために あるいは 自分を知るために切実に生きようとすれば、どこかで (前向きな意味での)孤独が必要というお話。
そうだよねぇ・・・
もしあえて麻布について特筆すべきことを上げるとするならばそれは、言葉ではなくて強烈な実体験としてそれぞれの生徒の人生に痛いほどの問いを刻み込む、その刃の鋭さだ(もちろん麻布だけではなく、いわゆる”名門校”と呼ばれるような学校は総じてこの傾向が強い)。
この本の終章での、おおたとしまさんの一文。
これは、学校の役割として、ほんとそう思います。
コロナもあってか、「授業はオンラインで代替できる」という論調もありますが、「答えを与える」授業はそれでいいと思うんですよね~
ただ、「問いを刻む」授業って、オンラインじゃ難しいんじゃないかな?と。
言葉や映像だけでなく、空気感、感情、場の相互作用 みたいのが必要な気がします。
この文章見て、「そうそう! 学校に期待しているのは ”答え” じゃなくて、”問い” なんだよなぁ~」と思いました。
すごい長くなっちゃいましたので^^; この辺で!